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本稿は，中国における農村留守児童の教育問題を分析し，社会経済の発展にとってどんな意味か検討することを目的とする。農村留守児童の失学現象，教育格差，精神的な健康などを主な問題として挙げることができよう。このような問題にたいして，各級の政府の対応がはなはだ遅れていることを具体的事実で指摘することによって，問題性への認識を喚起する。そのような認識にもとづいて，この問題が単に教育問題に限定されない問題として性格づけるという観点から，アンケート調査では捕捉が困実態を明らかにすべく取り組んだ質的調査の結果を併用して，中国における農村留守児童の教育問題について自分の考え方を言う。

序論

1.はじめに——中国の農民工問題の社会背景と原因

中国では、戸籍制度によって、農村・都市間の移動が制限されていたが，改革開放政策以降の地域間格差拡大に伴い農村から都市へ大量の労働力が流動するようになった．「改革・開放」政策は、経済成長に重点を置いてきたところ、所得格差の拡大（都市と農村住民）といった歪みも生じさせている.そこで都市・農村間の二重構造を打ち破り、戸籍制度を改革し、人口の自由流動を実現することが改革の重要な目標となった.しかし、1980年代の末から多くの政策は依然として、都市と農村を分けて管理する政策が実施され、都市・農村両者は不平等な立場に置かれる. それによって労働力が農村から押し出され，都市へと流れ込んだのである. 2006年中国の国務院研究室の課題グループが公表した「中国農民工調研報告』で、「農民工」とは、居住地域の郷鎮企業や都市・町部に出て就労する農村戸籍者を指す。農民工は、中国特有の都市・農村二元体制の産物であり、特別な時期に登場した、特殊な社会的な群体である。つまり戸籍の身分が農民であり，主に非農業に従事し，賃金を主要な収入源としている労働者を指す。

2.農村留守児童の問題について
3. 農村留守児童の教育問題解決への構想
本　　　　論
1．現在の農民工の生活状況
2. 農村留守児童の生活状況
3.農村人口は都市へ流入する困难
4.解决策

参考文献：

1、牧野篤「中国変動社会の教育」勁草書房，2006年４月
2、上海市教科院発展研究センター「中国普及義務教育の進展および問題分析」『教育発展研究』2002年，第1２期
3、馬国賢「当前農村義務教育の現状問題と成因研究」「中国農村義務教育政策高級研討会論文集』2008年
4、高文书「留守与流动儿童教育问题研究」『中国人口与劳动问题报告』No.10, 2009年
5、木山徹哉「義務教育の新たな課題――農民工子女の就学保障問題を中心に」『「改革開放」下中国教育の動態―江蘇省の場合を中心に』東信堂 2005年
6、山口真美「民工子弟学校―上海市における「民工」子女教育問題」『中国研究月報』631号中国研究所 2000年
7、阿古智子「中国における出稼ぎ労働者子弟の教育問題」『東亜』2001年9月号
8、植村広美『北京市における子どもの教育アスピレーションに及ぼす要因――都市戸籍児童と農村戸籍児童の比較を中心に』広島大学大学院国際協力研究科修士論文、2003年
9、楊東平『中国教育公平的理想与現実』北京大学出版社 2006年
10、張海英 “中国「農民工」子女の義務教育問題と政府の責任,”（飯田哲也訳）『立命館産業社会論集』2006年