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じめた日本製のホラー映画はハリウッド製ホラー映画に対するのと同様に、このような日本の怪談・怪奇映画の伝統とも距離を置いており、ジャパニーズホラー、またはJホラーと呼称され独自のカテゴリーを形成している。最近の日本ホラー映画は不条理ホラーがひとつの特性として発展している。砕けた言い方をすれば「わけがわからない」ホラー映画である。でも恐怖というのはもともとわけがわからないものに対して感じるものなので、たとえば「こいつは何を考えてるんだ！？」という人物に出会うだけでも恐怖が生まれます。不条理ホラーは最近の日本ホラー映画によく応用されていることが見える。不条理によってナンセンスの効果がもたらされるため、ホラー映画ではしばしば不条理的展開が用いられる。
中国のホラー映画は独自の長い発展をへり、成功した作品の例もあるが、映画の形式上からストーリまで日本と韓国のホラー映画のまねをしすぎる傾向があり、ポスターまで似ている。そして、以前のユーモアとホラーを結ぶ形式を放棄した。最近の中国のホラー映画は個性が欠けているとはいえる。
韓国のホラー映画は短い歴史を持っている。韓国ホラー映画は以下三つの特徴がある。一つ、止めることなく他の国のホラー映画を真似して制作する。二つ、独特な韓国スタイル美学。三つ、強烈な論理訴求。韓国ホラー映画のもうひとつの特色としては、感動とロマンチックなホラー映画である。ホラー映画であっても、韓国映画が一貫する唯美と感動の特色がある。特に近年の映画『狐階段』や『秘密』、『アカシア』、『薔花と紅蓮』などがそういう特色が明らかに現れている。主人公の女性は感情の豊かさから、ストーリの筋の感動さまで韓国映画に越したものはないといっても過言ではない。東アジアのホラー映画のなかで、特に韓国映画のヒロインは感情が豊かである。韓国ホラー映画は憎しみと恨みと涙のイメージを混じ、強い感情傾向と倫理の訴えがある。涙に浸すホラー映画であると言っても過言ではない。韓国ホラー映画に出てくる魑魅は世間でもっとも人情の知る感傷的な魑魅であると言える。
幻想文学というのは、超自然的な事象など、現実には起こり得ない、架空の出来事を題材にした文学の総称。幻想的な文学作品である。幻想文学の定義やその範疇は曖昧であり、神話や民話、寓話などの一部にもその傾向は見られる。幻想文学の源流は、言うまでもなく神話や民話に求められ、アニミズムに基づく精霊や妖精の物語が生み出された。ホラー映画は幻想文学の中のホラー小説から映画化された作品である。「恐怖は人類の最も古い感情である」というラヴクラフトの名言がある。それを反映して恐怖の対象として描かれたものは多岐にわたり、古くは神や霊、吸血鬼等といった超自然的な物事が扱われた。
東アジアのホラー映画における女性像の作り方に残っている問題は次の三つの点にある。ア、映画における女性像は悲劇的である。イ、女性はわけもなく恐怖の源となっている。ウ、女性の抵抗はホラー映画で恐怖の源となっている。問題は以上三点は全部男性中心的な視点から作られた恐怖であり、そして男性中心的な視点は今の圧倒的に多数のホラー映画のモードである。戦後時代の東アジア社会について言えば、70 年代から現代にかけて東アジア女性の地位はどんどん高くなってきている。今の女性は家事とか子供の養育などの役割だけを持っている女性ではなくなってきた。現代の東アジアの女性は、政治、社会などの分野で活発しながら、女性の社会地位をもっと高めようとしている。でも、スウェーデンとかアメリカなどの国と比較してみると東アジア女性の社会地位はまだ低い。だからこの問題は社会学で大きな問題の一つともなっている。本物の意味での「男女平等」に至るのはまだ責任は重大で道は遠い。ホラー映画の中に出てくる女性像はジェンダーを除き、男性中心的な視点から脱出し、男女平等の立場をとってほしいと筆者が望んでいる。