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中国人の右腕を断ち切っていることが忍べるなら、何が忍べないというのかと訴えた。1931 年から長い間、日本に侵略されこれまで我慢した中國人が、「七・七事変」のはじめで、もう忍べないから、直ちに立ち上がってこの仇敵――日本と対決する気持ちでいっぱいであるとこの絵から読み取れる。また、この絵から「野蛮」と「文明」の対立も一目瞭然なことで、日本人が中国にした野蛮な行為を諷刺し、中国人の反抗を呼び掛けた。「是が忍べるなら、何が忍べない」という漫画から、彼の日本に対する態度は言うまでもなく憎んでいるということが分かる。

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三、抗日戦争後の日本観（1946-1975） ............................... 74

1.中日友好を期待する感情 ....................................... 74

1.1 戦争勝利の歓喜と日本侵略者への訴え ...................... 74

1.2 日本との「旧悪」を忘れる主張 ............................ 77

終わりに ............................ 90

三、抗日戦争後の日本観（1946-1975）

1.中日友好を期待する感情

戦争の直後、中国人が心で日本を恨んでも、その辛うじて取り戻した平和を再び戦争が起こないように、日本から賠償を貰わなかった。抗日戦争が終わったばかりのところ、その苦痛な十四年間という長い戦争期をかろうじて生きてきた中国人の心の奥にまだ残っている日本に対する恨みがどのように、世界平和と中日友好を期待する気持ちへ転換したのか。その感性と理性の挟みで転換した対日感情を考察するために、経験者である豊子愷を例として挙げる。

1.1 戦争勝利の歓喜と日本侵略者への訴え

抗日戦争の勝利で、中国全国には歓喜で満ちていた。豊子愷も四川宜山で遭遇した空爆を回想して、日本軍を負かしたことについて喜びを表した。「今悲痛な気持ちが静まってから当時の苦痛を思い出すと、忌々しい日本の軍閥への憤りもまだ残っている。幸いに我々は辛うじて勝利を実現した。日本は投降した。罪のある軍閥は殺され、私は依然として恙なく、往事を閑談して余った憤りを発散して勝利を祝いしているのよ。

以下の五幅の絵画は、日本人の投降を象徴している「桃太郎降参（桃太郎繳械）」、日本軍閥を征服することを表示している「仁は暴に克つ（仁能克暴）」、中国人が勝利への歓喜を生き生き描いた「（民国）三十四年八月十日の夜」と日本人の敗亡を嘲笑した「貴方の憂愁がおいくらあるのか、恰も春の潺と同じように多かったであろう（問君能有幾多愁，一江春水向東流）」と「春が来て東風が吹いているのに、桜の花に往年の事を聞きたい（東風滿地春如海，欲向櫻花問往年）」である。

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終わりに

本論文は豊子愷の日本観を歴史的に考察した。豊子愷を例にして近代中国の知識人たちの日本観がどうのように変化したのかを研究した。日本観という大きなテーマで彼の対日感情、日本芸術観、日本文学観、日本国民性への認識などの各方面に分けて論じた。

その対日感情は彼自身の中日文化体験に基づいて形成し、更に中日関係の変化とともに律動したことが分かった。学校時代、李叔同、夏丏尊など留日学人の沢山集まった浙江省立第一師範学校で学び、初めて日本人の画家大野隆德、河合新藏、三宅克己などと接触することで、豊子愷の日本人に対する第一印象ができた。そして、東京で十か月留学し、明治時代を経て大正時代の半ばになってすでに近代先進国家になった日本を肌で感じた豊子愷は、日本を崇拝する感情ができた。

一方で、彼は日本漫画や工芸品、日本人の「美」の一面を認識しながらも、日本の「悪」にも相当深い認識が出来た。「九・一八」事変、「一・二八」事変など、特に、1937 年、日本軍により、彼の故郷浙江省嘉興市石門湾鎮に建てた家「縁縁堂」が空爆されたことによって、彼は日本侵略者を憎む対日感情となった。「大後方」へ避難しながら見た日本軍の暴行と中国民衆の苦難は全部彼の抗日漫画の素材となっていた。彼の抗日漫画は「暗喩性」が満ちていても、日本に対する恨みを反映している。もし、早期の日本留学で彼は日本文化の「美」をよく分かったとすれば、日本軍によって彼の家「縁縁堂」が爆発された後の避難、敬愛する夏丏尊先生などの親友の逝去などの直接に戦争体験者として遍歴したことが日本ファシズムの「醜悪」な一面も痛感した。その意味で、戦争が彼の日本認識が深化するには重要な役割を働いた。この時期は彼の日本観の「成熟期」とも言えよう。

参考文献（略）