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第 3 章 研究方法................. 16

3.1 研究対象............................ 16

3.2 データ........................... 16

第 4 章 結果と考察................................. 20

4.1 日本語学習不安に関する分析結果.........................................20

4.1.1 日本語学習不安尺度の信頼性と妥当性.....................20

4.1.2 日本語学習不安の全体状況...................................21

第 5 章 おわりに......................... 40

5.1 本稿のまとめ................................. 40

5.2 日本語教育への示唆........................41

5.3 今後の課題.......................................... 44

第 4 章 結果と考察

4.1 日本語学習不安に関する分析結果

本節では、まず、日本語学習不安尺度の信頼性と妥当性を検討する。次に、日本語学習不安尺度に対して記述統計（平均値および標準偏差）を行うことによって、日本語学習不安尺度全体と各学年の状況を把握する。

4.1.1 日本語学習不安尺度の信頼性と妥当性

日本語学習不安尺度の信頼性の検討は、Cronbach のα係数を算出した。一般的には、Cronbach のα係数の値が 0.5 以上の場合、その信頼性は許容範囲内であり、Cronbach のα係数の値が 0.7 以上の場合、その信頼度が高いと言われている。具体的には表 4.1 を参照されたい。日本語学習不安尺度に対して、Cronbach のα係数はα＝0.937>.080 である。ゆえに、日本語学習不安尺度には非常に高い信頼性が備わっていると言える。

また、妥当性は、KMO の値によって検証できる。KMO の値が 0.5 未満では不適切、0.5以上 0.6 未満は悲惨なレベル、0.6 以上 0.7 未満はよくも悪くもなく、0.7 以上 0.8 未満は並、0.8 以上 0.9 未満は賞賛に値し、0.9 以上なら極めて優れている（Kaiser，1974）。表 4.1に示した通り、KMO の値は.880 である。こうしたことから、日本語学習不安尺度は非常に高い信頼性と妥当性を備えていると言える。

第 5 章 おわりに

5.1 本稿のまとめ

日本語学習者にとって、日本語学習不安は彼らが日々直面するネガティブな感情のひとつで、学習者がより効果的な外国語学習の成果を得るためには、教師の視点だけから不安の軽減方法を検討するのではなく、学習者自身にも注目し、学習者がいかに自身の不安を軽減することができるのかを検討することが望ましい。このような考えから、本研究では、外国語として日本語を専攻とする中国国内の大学生を対象に、日本語学習不安尺度と日本語学習不安に対する自己調整方略尺度を用いてアンケート調査を行った。そして、統計ソフト SPSS 23.0 を用いて収集したデータに対する統計処理を行うことによって、以下のような結果を得た。

まず、日本語専攻学習者の日本語学習不安の実態を調査した結果、学習者の日本語学習不安は中程度であること、また、学習者の 8 割以上は中程度の不安、あるいは強い不安を感じていることがわかり、ここから、日本語学習不安が日本語学習者の学習過程に普遍的に存在すると言えるであろう。また、学年別に見ると、日本語学習不安が最も高いのが 1年生であり、最も低いのが 3 年生であることが明らかになった。

そして、日本語学習者の自己調整方略の使用状況を調査した結果から、日本語学習者が日本語学習不安に対し、再評価方略、注意分散方略、自己確認方略、分析方略、行動方略、社交的方略、回避方略の 7 種類の自己調整方略を使っていることを明らかにした。そのうち、使用頻度が最も高いのが再評価方略と注意分散方略である一方、使用頻度が最も低いのは回避方略である。

参考文献（略）