英语论文网

日本の戦後的空間において、戦争に関する言説に強調された「当事者性」、戦争体験者の間に存在していた「政治に利用されたくない」という考え、及び体験を語る時における他の体験者に参照する考量、これらのこといずれも「戦争責任」と「犬死」などの世代間矛盾の形成について考えられる要因である。

70 年代のベトナム戦争以前、出版された一般民衆の戦争体験集の数は少ない。この時期の戦争体験記、あるいは戦争文学の多くは、官僚と職業軍人によるものであった。普通の戦争経験者たちは、「手柄話として捉えられるのはやだ」、「政治に利用されたくない」という考えが作用しているうちに戦争体験を刻む場所を失った。そして、ベトナム戦争が白熱した 70 年代を境界線として、人々の「日本は再び戦争の道に歩むかも知れない」という危機意識によって、民衆の戦争体験を記録する運動がはじまった。そして、時間の推移とともに、戦争経験者たちがどんどん老いてゆくなかで、「絶やしてはならない、次の世代に伝達していかなければならない」という「伝承」と「反戦」の名において、「手柄話として捉えられるのはやだ」、「政治に利用されたくない」という考えの影響も次第減少され、一般民衆としての戦争経験者たちが、自分の戦争体験を刻みつける場所を得た。

参考文献（略）