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の応用状況を明らかにし、それから日本語教材の応用状況も整理する。そのため、CNKI にキーワード「多模态英语教材」で検索したところ、研究論文が 103 篇出てきた。以下は論文の発表年度、研究対象の学習段階、教材の科目、研究の性質等の面から分析した結果について紹介する。まず発表年度の状況を以下の図１にまとめた。

図１英語教材のマルチモーダル研究年数分布

英語教材のマルチモーダル研究は 10 年前の 2011 年から始まり、2016 年に研究の数が突然増えてきて、最も多い年になった。2016 年以後は毎年 10 篇ぐらいで、緩やかに増えているということがわかる。次に教材の使用者がどの段階の学習者かは次の表１で見られる。

表１英語学習者の学習段階

上の表から大学英語を研究するのが 42 篇で最も多かった。他に中学と高校英語に対する研究も注目する研究は明らかに少なく、1 篇しかない。そのうえ、合計 103 篇の研究のうち、70％の研究が学習者の能力目標がどの程度に達するべきかについては明確な指摘がなかったようである。そのため、研究者がマルチモダリティと教材の能力目標との関連に気付かなかったことがわかる。教材の各科目は図 2 のような分布されている。商務英語、航海英語、軍事英語、学術英語、テク技術英語教材、芸術類の英語などの専門用途の英語に広く触れた。紙教材の他に教材付きの教師用の PPT 資源に対する研究もあった。

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第 3 章研究過程と方法 .........................16

3.1 本研究の分析アプローチ....................... 16

3.2 教材の選択.............................. 17

第 4 章マルチリテラシーズについてのアンケート調查.............20

4.1 アンケート調査の背景 ......................... 20

4.2 アンケートの実施と分析.......................... 22

第 5 章教材「総合」と「新経典」のマルチモーダル分析................27

5.1 マルチモーダル教材の特徴 ........................ 27

5.2「総合」と「新経典」の使用モード分析.................................. 29

第 5 章教材「総合」と「新経典」のマルチモーダル分析

5.1 マルチモーダル教材の特徴

多様なモードを組み合わせた教材こそマルチモーダル教材であると張徳禄、張淑杰(2010)は指摘している。伝統的な教材では当然図、表、異なる色を使うが、マルチモーダル教材では、これらの記号が同時に、あるいはある手順により出てくるはずである。それから文字が主導権を持つが、単一のモードの形ではなく、多様なモードが主導権を争うような感じが教材にあるべきだと考えられる。Okada&O’Brien(1995)はマルチモーダル教材の特徴について、協同性、多次元性、共時性、動態性、リンク性、ネット性といった特徴が揃うべきだと指摘している。この六つの特徴の意味を解釈しながら、「総合日本語」と「新経典」がこれらの特徴を持っているかどうかを分析する。

（１）協同性とは教材に二種類以上のモードが相互作用、協同的に意味を表すという特性である。例えば、音声と文字、図と文字、動画と音声と文字の組合せ等のように意味の構成に役割を果たす。「総合」の会話文で、絵が文の横或いは下の位置に設けられているが、読解文では、ほとんどが文字という単一のモードで意味を表している。ただ、練習の部分に必要な図表は付いている。「新経典」の場合、会話文や読解文には絵や写真等が付いていないが、練習の部分には文字と大量の絵などを組み合わせてディスコースを構成している。つまり、両教材の各課にマルチモダリティの協同性が表れている。

（2）多次元性：マルチモーダル教材は立体的多次元の特徴を持っている。文字が線形で一次元、絵が平面の二次元で、動画が立体的三次元をそれぞれ代表している。文字と他の単一のモードと組み合わせると二次元、更に三次元の特徴を持つ。言語モードという単一のモードでディスコースを構成するのではなく、文字や絵や図表等も揃っているので、この特性を両教材とも持っている。

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第 6 章おわりに

本研究はマルチモーダルディスコース理論を日本語教育に応用する目的を持ち、マルチリテラシーと教材のマルチモーダル分析の二つの面から研究を行った。マルチリテラシーについては、日本語学習者にマルチモダリティの意識と応用やマルチリテラシーズのレベルに関してアンケート調査を実施した。その後、Martinec & salway(2005)の図文理論、Kress & van Leeuwen(1996)のビジュアルデザイン文法理論に基づき、主にマルチモーダルディスコースのメタ機能―テキスト形成的機能の意味構成をめぐって、図文関係、顕著さと枠という三つの面から、教材のマルチモーダル分析を進めてきた。理論と分析の内容を考えた上で、本研究の課題を以下のように決めた。

課題 1：日本語学習者のマルチリテラシーの能力と応用について、その実態はどのようになっているのか。

課題 2：「総合日本語」と「新経典日本語教程」には、どのような図文関係があるのか。

課題 3：「総合日本語」と「新経典日本語教程」は、図文の組合せが顕著さと枠においてどのような特徴を持つのか。マルチモーダルディスコース理論の視点から、本研究はマルチリテラシーズアンケート調査の分析と教材の分析により、研究を展開させた。次は研究結果、研究価値、不足と今後の課題についてまとめる。

参考文献（略）