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2.2  張道一の民芸の美に対する見解

柳は民芸から美の世界を発見して、更に新たな美の理論を構築した。それに対して、民芸の美について、張道一も独自の理論を述べた。彼によると、芸術的な創造はその実用性、審美、物質と精神、経済と文化の性質によって、民芸の審美的形態は包括的な特性を持っていることになっている。64民芸は本元文化の性質に属し、物質と精神の二重の属性を持っている。その故、張道一による民芸の美は、実用的な美、芸術的な美、社会的な美及び独特の精神的な意味の統合である。以下は三つの方面から詳しく説明する。

（1）実用的な美

「功利は審美に先行する、審美は功利から生じる。審美は功利を超克するのは、それは審美が実現される功利であるからだ。人間は客観世界を改造する実践によって、自らの功利を実現する時、自分の需要を満たす対象に対して超功利的な快感が生まれ、いわゆる美感である。なぜかというと、この対象はもはや功利の目的を果たすだけではなくて、人間は実践の主体とする勝利の象徴であり、客観的必然性の支配から脱して自由を手に入れる象徴である。こういう人間としての勝利的、自由的な象徴は美である。人間はそこから感じる勝利的で、自由な快感は美感である。」65ここから実用と美は根本的なつながりが分かる。そして、張道一もまず民芸の用と美の統一性を強調した。張によると「大多数の民芸用品は作者の審美的趨向と理想の追求を表しながら、極普通の日常用品あるいは生産用具である。」66、民芸における実用と審美の融合を指摘した。また、彼は『造物の芸術論』の中で、用と美の統一することは工芸美術の本質であると述べている。67更に、実用と美を具体的に解明するために、「資生」「安適」「美目」「怡神」と分けている。「資生」「安適」は人々の生活の需要を満たすために、民芸は衣類や器具などの生活用品を継続的に創造して改良することにより、民衆の生活を豊かかつ快適にするということである。そして、「美目」「怡神」というのは民芸の実物が有する独特な形と色などから、人々の感官が刺激を受け入れ、美を享受すると同時に心が癒される。

第 3 章 民芸思想の基幹理論の比較 ...................... 20

3.1  柳宗悦の民芸美学理論.......................... 20

3.1.1 工芸の美 ................................ 20

3.1.2 仏教美学 ............................. 23

第 4 章  中国民芸の伝承・発展への示唆 ......................... 28

4.1  柳宗悦と張道一の民芸思想の価値 ................................. 28

4.2  中国民芸の伝承・発展への示唆 .................................. 28

終わりに ................. 31

第 4 章  中国民芸の伝承・発展への示唆

4.1  柳宗悦と張道一の民芸思想の価

文化は民族の生存や国家の発展の精神的な柱である。近代以来西洋文化が日本に流入し、経済や技術の面において、速やかな発展や進歩をもたらしていると同時に、文化や審美観においても、西洋化している傾向が強くなってきた。このような情勢の中で、柳は、西洋の技術は確かに日本の発展を促進したが、人々の日常生活における日本の伝統文化の役割を取って代わることができないと強調している。日本国民全体にとって貴重な財産であり、日本文化に独特な性格を与えたと言った。彼は『手仕事の日本』の中で、「吾々の文化に固有な性質を与えているのはかかる伝統の力であります。それ故日本の存在にとって、これがどんなに貴重なものであるかは申すまでもありません。もし、伝統がなかったら、どんな国も独立した文化を保つことはできないでありましょう。」と述べていた。柳はこういう伝統文化の担い手として民芸から日本固有の文化の特色が十分に窺えると考えている。彼は独特な視点で民衆の生活から近い民芸品の中に「用の美」を見出し、更に民芸の思想を構築し、民芸運動を起こした。柳の民芸研究と活動の影響で、日本は今でも各地で民芸館を開設している。そして、民芸品や伝統的な工芸品の生産は一つの産業として、全国で生産され、販売されている。日本の伝統的な手工業の復興と発展を促進しただけではなく、人々が日常においても民芸や伝統文化に触れられるようになった。この点から見れば、柳の民芸思想は民間手工業など伝統文化の継承や発展に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。それは中国の民芸の伝承と発展にも何らかの参考になるところはあるのではなかろうか。

それに影響を受けた張道一は「中国民芸学発想」を提起し、一方、柳の民芸の性質、美学、理想や組織に関する研究は張道一を代表とする中国の民芸学者に深い影響を与えた。柳の民芸思想を初めて中国に紹介した張道一は芸術哲学や文化学の角度から中国の特色的な民芸思想を提出しただけではなくて、中国民芸学の発展にも大きく貢献した。そして、張の民芸思想の基幹理論である本元文化思想は独特な視点から民芸を研究し、本元文化性質を持っている民芸の芸術における重要性を指摘し、従来芸術において低い地位を占めていた民芸の位置を付け直すことに貢献した。また、民芸の特徴や価値に関する論述は、現在の民芸の発展にも参考になると思わられる。

終わりに

本稿は柳宗悦と張道一の民芸思想を比較研究し、両者の共通点や異なるところを見極める。そして、日中における民芸という言葉の由来や概念などを考察することで、民芸に対する理解を深め、民芸は芸術文化における重要な位置を占めることも認識した。柳宗悦は現代において民芸の美を指摘し、彼の民芸思想や民芸美学理論などによって、日本の民間手工藝の復興と発展及び現代日本の設計文化、更に日本民衆の生活にも深い影響をもたらしている。そして、張道一の民芸思想における本元文化思想は人間の原始社会からの物作りの活動を分析し、民芸の歴史と本元を遡った。民芸の芸術における重要性を示しただけではなく、現代における民芸の発展にもヒントを与える。一方、国の優れる伝統文化の高揚や革新的な発展を強調する現代において、伝統文化の重要な担い手である民芸の保護や伝承は益々重要になってくる。中国は広い国土や多民族や多文化を持っているため、豊富で多彩な民芸を有しているが、近代化が進む中で、中国の民芸の伝承・発展は地域的特徴の弱さ、現代性の欠如などの危機に面している。本稿は中日両国において代表的な民芸学者柳宗悦と張道一の民芸思想を研究することから民芸の伝承・発展に何らかの示唆を絞り本论文由英语论文网提供整理，提供论文代写，英语论文代写，代写论文，代写英语论文，代写留学生论文，代写英文论文，留学生论文代写相关核心关键词搜索。