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業の平均現金給与額は 214.7、全産業平均は 215.9)、そして 20 代後半となって年齢が高くなるに従って、他産業との格差はどんどん開く一方である。若年層にとっての賃金は決して魅力とはならない。図７からトラックドライバーの年間所得額が長年にわたって全産業平均を下回っていることは一目瞭然である。

３.国・政府による政策・法律面から取り組み................................ 27

３.１多様な人材確保............................................27

3.２労働条件の改善..............................................28

４．トラックドライバー不足への提言............................... 34

（１）荷役・荷待ち時間の削減.............................................34

（２）短時間正社員制度の導入.....................................34

（３）他社との連携...................................35

４．トラックドライバー不足への提言

（１）荷役・荷待ち時間の削減

トラックドライバーの労働時間および負担の削減や運送効率を実現させるには、ドライバーを輸送業務に特化させ、輸送の回転率を上昇させる必要がある。

ドライバーが荷主のところに到着したあとに検品や積み下ろしなどを開始するまでの荷待ち時間はドライバー、荷主や事業主にとっては何の価値も生まないし、ドライバーの有限な実働時間を無駄に費やすことで運送効率の低下にもつながっている。荷待ち時間の削減は、荷主側と事業主と連携で、事前に積み下ろしの時間帯を打ち合わせておき、あるいは予約制度の導入などで可能となる。

仕分けや棚入れ、積み下ろしなどの荷役の削減にも多方の協力が必要である。荷主側の社員によって、物流センターや店舗で事前に仕分けを適切に整理することや、棚入れや積み下ろしも着荷主側の社員に任せることで、トラックが目的地に着いたらすぐに次の場所に行くことができ、実働時間に占める車の走行時間を大幅に引き上げることで運送効率の向上にも貢献できる。また、仕分けや棚入れ、積み下ろしなどの荷役の機械化も勘定に入れるべきである。労働力に対する依存度が高い労働集約型産業にとって、現状を変え、生産性を引き上げるためには、機械化を代表とするモデルチェンジこそ抜本的な対策である。

おわりに

日本では物流業界のトラックドライバー不足がすでに大きな社会問題となっている。本論は日本の物流業界のトラックドライバー不足の現状に直面し、その背後に潜んでいる原因を探り出し、それらの原因に対して分析を施し、政府側の相応的な施策をまとめ、企業主や荷主にとって実行可能な提言をした。

先行研究にはドライバー不足問題の原因を詳しく分析するより、一つの特定な方向に沿って対策について持論を展開したものが多い。しかし、ドライバー不足の原因を完全に把握することによってしか解決策を立案することができないという視座から、原因追求の部分は本論でかなりのスペースを割いた。そして本論は社会現象に対する研究であるため、主な考察方法はデータに基づく分析である。参考資料はほとんど国土交通省や厚生労働省、全日本トラック協会が発表したデータからなっている。理論研究の部分は労働市場の二重構造論、労働市場リサーチ論、完全競争市場および買い手側市場のそれぞれの状況のもとでトラックドライバー人手不足につながりなけぬいくつかの要素を分析した。

先行研究や理論分析を踏まえてまずは有効求人倍率や全日本トラック協会の雇用状況指数の二つの指標からトラックドライバー雇用の過不足状態を剥き出した。トラックドライバーの有効求人倍率は全職業平均水準の二倍も超え、全職業平均より人手不足が深刻である現実がわかる。それに日本ではトラックドライバーの職は中高年の男性労働力に大きく依存しているという職の年齢構成から、将来的に高年齢就業者の割合が増える一方によってさらなる深刻なドライバー不足に陥る恐れがあると指摘した。

参考文献（略）

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