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けではなく、全世界を活動範囲としようと目指すのである。（自衛隊による国際平和維持活動等の本来任務化。自衛隊のイラク及びインド洋での支援につき議論。）これまでの自衛隊は、日本国憲法により日本国外に派遣されることは許されておらず、ところが今回の共同発表においてはそれを議題として議論することになったのである。これまでの日米安全保障の協力枠組みを超えたことは明らかである。また、日米同盟が存続していく新な理念—共通の戦略目標が明確にされ、「政策上の協調から共同作戦時の戦術まで」全面的アップデートし、日米同盟は実質的強化されたのである。同盟内における日本の役割も更に要求された。日本の同盟内における自主性や「権限」は拡大された。そうなると、アメリカの要求に応じ、日本はより強力なサポーター 協力者の役割転換が始まった。

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3 効力 ............................................ 9

3.1 緩い形でも実効的成果 ......................... 9

3.2 双方の協力........................10

4 実績 ........................................19

4.1 共同訓練 演習.............................19

4.2 日米共同研究 開発プロジェクト ..........................................20

5 「2+2 会合」の本質...................................25

5.1 日米同盟の「導管」..................................25

5.2 戦略上の長期的目標の策定や転換を担う「舵」 .....................25

5 「2+2 会合」の本質

5.1 日米同盟の「導管」

共通した利益があっての日米同盟ではあるが、日本とアメリカ、各自の利益をどのように協調するか、どのようにすれば両方とも利益の最大化ができるのか、それらの問題を解決するために、「2＋2 会合」において数多くの議題はそのような問題に関するものである。双方の利益に対するバランスの調整がメインとなる。そもそも日米間の利益上の食い違いは、日米同盟の根本である「米国が主導する側、日本が従属する側」という特徴から来たのではないかと思われる。そのような非対等な同盟内関係は、メンバーにとって一つの「ジレンマ」が生み出される。それは「捨てられる」と「巻き込まれる」という矛盾な心理である。具体的に言えば、日本にとって、米国に見捨てられるという懸念が常に存在しており、それと同じ、日本は米国との協商抜きで勝手に行動するのかと、アメリカはそのような懸念を抱いている。それが「見捨てられる心理」である。一方、アメリカは日本に地域的衝突に巻き込まれかねないと考えており、それに対し、アメリカの行動に応援するために、同盟を維するために、自分は更なる大きな衝突に巻き込まれるのではないかと、日本は心配している。それが「巻き込まれる心理」である。

しかし、日米同盟はアメリカが主導するもののため、日本が同盟から離脱することがほぼ不可能であり、日本の同盟内におけるパワーがそれほど強くとは言えず、アメリカに妥協する場合は多い。故に「2＋2 会合」では多くの合意ができたのは、上述の要素もその理由の一つではないかと思われる。

そのほか、緊急事態に迅速に対応できるよう、平時からの共同計画や動きの同調も必要であるが、それについての詳細方法や計画も「2＋2 会合」や「2+2 会合」と関連している下位メカニズム（BPM のように）を通して行なわれる。

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6 おわりに

60 年代の安保改定を経て、90 年代日米同盟の「漂流」を経て、21 世紀の日米同盟は「2＋2会合」を通して、再び日本とアメリカの緊密な協力関係を再構築し、さらに、戦略的役割転換を実現し、地域的レジームからグローバルなレジームへの転換が実現し、影響力も一層強化したのである。

一般的に、成文化した、即ち法律上の効力のある条約の形で定着した国際制度の方が、その制度 レジーム内のメンバーへの拘束力が強いと言われる。しかしその視角から見れば、日米双方にとっては、「2＋2 会合」には明記した条約もなければ、常設機関もない。開催時間も不定期となっている。そんな「2＋2 会合」は常設機関も存在せず、成文化した条約も存在しない「形の緩い制度」である。しかし、上述のように、「2＋2 会合」が実際に数多くの実績を出し、日米同盟の方向性を示すという非常に重要な役割を果たせたのは、日米同盟という強力な 2 カ国間レジームに属している、つまり「2＋2 会合」は日米同盟の下位レジームであるこそ、その協議のあらゆる結果がすぐ日米同盟の行動に反映するので、日米同盟にとって、こうして繁雑な協議する流れのない方がより効率的であり、論理的言えば、「2＋2 会合」は「形の緩い制度」ならではの「柔軟性」「速成性」という特徴を十分に表す。日本とアメリカ各自の目標もその協議内容に反映する。現実的視角から見れば、「2＋2 会合」は日米同盟の「導管」——会話協議レジーム、戦略上の長期的目標の策定や転換を担う「舵」、目前の問題に迅速に対応する実用性の高いレジームという 3 つの性格を持っている。

参考文献（略）

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