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本節では、正式の実験でもらったデータを分析する。前章では述べたように、聴解テストが終わると、すぐに被験者にっとトピックの既知感を調べるアンケート調査を配布した。回収したアンケート用紙を整理すると、すべての被験者は聴解1（春節）のテキストに精通していたが、二年生の被験者一人だけはテキスト2（ひな祭りに関する聴解材料）に「少しだけ知っている」と答えた。テスト1とテスト2の両方を受けた二年生30名と四年生30名の成績をコンピューターにより算出した結果は以下表3の通りである。

日语论文选题参考

5.おわりに

5.おわりに

以上のように、本稿はスキーマ理論を論理的枠組みとし、第二言語におけるトピックの既知感と日本語習熟度という2つの要因に焦点をあて、中国語を母語とする日本語学習者の聴解プロセスを実証的に研究し、第二言語習得の試みとしてスキーマ理論の有効性を再評価した。結論は次のとおりである。

第一に、トピックの既知感の主効果は有意である。本研究では、聴解プロセスにおけるトピックの既知感の効果には、プラス効果もあれば、マイナス効果もあることを証明した。すなわち、トピックの既知感効果は言語知識の不足を補い、聴解の内容に対する理解を促進できる（スキーマのプラス効果）が、他方では、聴解に障害を及ぼす可能性もある（スキーマのマイナス効果）。そして、スキーマの活性化は言語情報によると同時に、言語習熟度の高低とも関係がある。これはスキーマのプラス効果のみを重視し、マイナス効果を無視した今までの研究とは少し異なっている。

第二に、日本語習熟度の主効果も有意である。特にトピックの既知感の低いテキストを聴く場合、言語知識は重要な役割を果たす。既存のスキーマの活性化と新しいスキーマの構築が言語情報そのもののデコードと加工の成否に繋がっている。第二言語聴解において、第二言語習熟度の高低は依然として、根本的なものである。第二言語習熟度の高い聴き手は言語知識を利用して、背景知識の不足を補い、理解に達する。第二言語習熟度の低い聴き手は言語情報のデコードと意味の再構築に失敗し、容易に推測もできない。キーワードのデコードの失敗により、テキスト情報から逸脱し、曲解な推測を引き起こす可能性がある。また、大学4年生の日本語学習者の各テストの成績は大学2年生の日本語学習者より優れており、言語基礎知識の向上は依然として聴解教育の基礎であることを示している。

参考文献（略）