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2001年には「e-Japan戦略」が発表された。2013年に「世界最先端 IT 国家創造宣言」が閣議決定されて以降、2018年には「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画」が策定された。戦略の成果に関しては 2020年が目標年でしたが、デジタル行政の利活用の視点から鑑みても、十分な成果を上げたとは言い難いというのが多くの専門家の見解である。政府内部の「お手盛り評価」では真の解決策には結び付かない。この問題点は、各戦略の目標年限を待たずに次の戦略が立て続けに策定されてきたことにある。成果の評価を経て新たなIT戦略の策定を行ったのは「IT新改革戦略」のみである。アメリカでは、各省庁のデジタル化の進捗状況を半年ごとに評価し、議会が監視する仕組みとなっている。日本もこうした事例を取り入れて、より効率的な省庁運営に生かし、独立性の高い外部機関を活用し成長戦略に繋げるべきである①。

日本语言学参考

（二）社会共通のデジタル機能の整備・普及

国全体として、官民が保有するデジタルデータを国全体で連携させ、アクセス性の高いデジタルサービスを構築・提供するためには、諸外国で広く利用されている共通のID・認証基盤を活用することが不可欠である。日本では、認証基盤であるマイナンバーが情報をつなぐ鍵として積極的に活用されることで、今回の新型コロナウイルスのような緊急時の利便性などの問題が回避されると期待されている。また、公的資金の受取口座とのスムーズな連携、健康保険証や運転免許証との統合によるアクセス性の向上、行政インフラのデジタル化・整備に向けた動きも進めるべきである。さらに、デジタル社会の認証基盤として、電子署名や電子委任状の普及、スマートフォンに搭載される公的個人認証の電子証明書の実現などの取り組みを推進する必要もある。

おわりに

本稿において、第一章で日本のデジタル化の定義を明確にし、さらに、情報通信白書研究レポート及び国際的な調査結果によって、日本のデジタル化の推進状況を明らかにした。日本の国際的なデジタル化の位置付けの低下が近年続いている中で、ICTインフラの整備とサービス利用という点で進んでいるが、政府や企業におけるデジタルの利活用が遅れており、ビジネスの面では市場変容への適応度と柔軟性の欠けやデジタル化人材の課題が顕著である。

次に、第二章では遅れている点の要因を分析するには、直接的な要因と思われるIT業界の問題点、根本的な原因である組織構造、及び社会環境の要因を論じた。IT業界の要因は独自システムやソフトウェア開発によるカスタマイズ化戦略、ユーザ・ベンダー構造によるウォーターフォール開発と多重下請け構造および既存システム問題、そしてそれらの問題点による人材の需給ギャップである。そして、組織構造の角度から見れば、IT産業の組織構造は系列的な下請けの仕組みと競争的な寡占的市場構造による垂直統合型産業組織であり、伝統的な工業界に優勢があるが、IT業界に優勢を失いつつある。企業の経営組織構造はJ型モデル（メインバンク制度と長期雇用制度による水平的情報共有・連携型の組織）をもって、日本のデジタル化に、限られるCIOの役割、「技術補完的」部署関係、強みの摺合せ製品及びDXに弱みとの影響を与えている。また、政府の行政組織の特徴は主に、省庁の縦割り構造と委託依存の体制であり、カスタマイズしたシステムによるサービス提供の不便と、内部に人材が欠けることで業務プロセスのデジタル化が追いつかないことをもたらした。その上、これら三つの組織構造およびその組成要素には共通点があり、互いに影響しあっている。

参考文献（略）